「君が私を呼んだの?さあ、じゃあ私と契約しましょう…?」 春が終わり、夏が近づく初夏。面倒な外回りの営業をサボって、主人公はぶらぶらと街中を歩いていた。 (こっちの方は、あんまり来ないけど、なんか暇をつぶせる場所はないかねぇ…) ちょうどよい暇つぶし場所を探していると、ふと目の前に昭和の佇まいの古書店が目についた。 (…まあ、茶でも飲んでるところを上司に見られちゃまずいし、あそこなら涼めるか…) ふらりと入った古書店は、中は埃っぽかったが、古い本のにおいは悪くなかった。 特に買うものはなかったが、ふと目の ...