<あらすじ> 「長かった入院生活も、あと一週間かあ…」 静まり返った病院のエントランスまで飲み物を買いに来た俺は感慨に耽っていた。 「こらー俊介君。消灯時間はとっくに過ぎてるんだよ。」 肩を叩かれ振り向くと看護婦の由香子さんだった。 「どうしたのこんな時間に。何か悩み事?」 「いえ、俺もうすぐ退院じゃないですか。色々思い出しちゃって。」 「そっかぁ」そう言いながら彼女は俺の隣に座った。 この1つ年上の可愛い人が担当だと紹介された時、少し軽薄な印象を受けた。 だが実際は人当りが良く、仕事熱心であることが入院 ...