「あんな男勝りなウザいおばさんで良かったら貰ってくれよ」 ――俺の安易な一言から全て始まった。 「本当に貰って良いのか?」 友人が不敵な笑みを浮かべた時にはもう遅く、自分が言った手前、声を震わせながらもそれを了承するしかなかった。 何もないという母さんの言葉とは裏腹に友人からはメッセージアプリを通じて次々と真実が語られる。 俺が知る母さんは「男勝りで口煩い肝っ玉母ちゃん」という感じだが、友人から送られるメッセージアプリには俺の知らない母さんの姿が映し出されていた。 胸がキリキリと痛い。 けど、全ては自分の ...