いつもの仕事帰りの駅前で、懐かしい人と再会した。 長谷川 栞。 お互いが初めての恋人で、運命だなんてハシャいでいたけど、 些細なきっかけでけんかをして勢いのままに別れてしまった。 なんで自分なんかと付き合ってくれていたのか、 本当にもったいないくらい優しくて人間のできた女性だった。 大人になるにつれ自分の未熟さを思い知り、 その度に栞を大事にできず手放してしまった事を後悔していた。 今でも忘れられずに思い続けていた人。 一目見て分かるほどの懐かしい姿の中に、 一か所だけ昔とは違う違和感に気がついた。 それ ...