彼女たちは愚かなわけではなかった。 流行を追えるし、コミュ力にも問題はなくて、なにかしら優秀なスペックも持っている。 しかし、だからこそ──空気が読める賢さがあるからこそ肉体関係を断れないときがあった。 学校の人気者なサッカー部の部長とか。 自分も参加しているプロジェクトを率いるリーダーとか。 単純に振った相手に気に入られなくなるたけではなくて、好条件な相手のアプローチを断るなんて調子に乗っていると同性に嫌われることになる未来を予測できてしまうからこそ受け入れるしかなくて。 元々こちらからも少しは好意を抱 ...