プロローグ 太平洋のひと隅に位置する、無人島があった。 絶海の孤島とも言えるそこは大戦末期、某国の極秘の化学兵器実験場が存在した島。 戦後、実験場は放棄され、いくつかの廃屋が残っているものの、長く人の手が入らないまま荒廃していた。 しかし、地下深くに埋められた化学物質や薬品は、長い年月をかけ島の生態系に深刻な影響を与えていた。 時間の経過と共に、その島の動植物たちは異常な進化を遂げていく。 化学物質がDNAに与えた影響により、彼ら本来の姿を失い、怪物のような形態へと変容していたのだ。 そして現代。 海外へ ...