「どうしたの?お兄さん。」 その日、旧校舎に足を踏み入れたのは、ほんの気まぐれだった。 帰省先の地元での、ほんのちょっとした望郷心。 かつてクラスメイトと遊んでいた、懐かしの学舎。 一緒に学んだ教室、一緒に励んだ運動場、そして、一緒に囁いた七不思議。 「へえ、お兄さん童??さんなんだ。…じゃあ、花子がお兄さんの??貞、食べてあげるね。」 そう耳元で嘯いて、旧校舎に棲む放課後の怪異は胸元をはだけさせる。 あるいは盗み見てしまった父親の雑誌、あるいは大人向けの深夜番組、あるいは初めて触ったインターネット。 あ ...