鬼神の一族を救えるのは、贄の一族だけ。 これは、鬼神と呼ばれる神がいた村で行われる、 現代へと続く因習と信仰の物語。 ──199×年。 交通事故で両親を亡くし、天涯孤独となった主人公。 養子として引き取られていた彼女の受け皿になりたい者はいない。 しかし、そんな中ある中年男が名乗りをあげる。 怪しい中年男に手を引かれる最中、それを止めたのは布袍(ふほう)を着た長身の男だった。 「…こんにちは」 人口1000人程度の山村で住職をしている百鬼京丞(なきり きょうすけ)は、 傷ついた主人公の心に寄り添い、村に温 ...