「反戦思想家のお前の旦那はどこにいる?吐け!!」 せまい取調室で、女は革手錠をされ、自白剤を打たれ、 秘密警察による違法取り調べを受けていた。 だが、女は自白剤にも抵抗し、一切、亭主の居所はしゃべらなかった。 「仕方がない」 そう一言、老齢の警官がしゃべると、となりの部屋から女の悲鳴が聞こえた。 「!!」 鉄格子の窓越しに女の娘が数人の男の警官たちに押し倒されているのが見えた。 「き、貴様ら!娘になにをする!」 激昂している女に、老齢の警官が再度質問する。 「旦那はどこだ?」 しかし女はかたくなに口を割ら ...