「はぁ…仕事、クビになるなんて」 俺こと笹塚浩一は、不景気の煽りを受け突然会社から首を切られていた。 「ブラックとは思ってたけどさ」 残業は当たり前。 上司からのいびりや理不尽なノルマ、当然の休日出勤などなど、ブラックな点をあげればきりがない。 「…ブラック企業から解放されたと思えば」 プラマイゼロだと思えなくもないが、現在の物価高や経済の不透明さも相まって今無職で過ごすのは非常に不味い。 せめて安心して生活できるだけの‘何か’が欲しい。 「いい仕事があるかどうか」 二十代も半ばを過ぎたおっさんを正社員と ...