「次、50メートル!クロールでいくよー!」 プールサイドに響く元気な声。その声に応えるように、水面を叩く音が続いて聞こえた。午後の柔らかな陽射しがプールの水面にきらめきを与え、部員たちの笑顔がその光の中に溶け込んでいた。 部活初日、少し緊張しながら見渡したプールの光景は、思った以上にのんびりとしていた。派手に飛び込む人、腕をくるくる回して準備運動をしている人、プールサイドでペットボトルを抱えて談笑している人たち――みんながそれぞれのペースで楽しんでいるようだった。 「初めてだよね?何か困ったことあったら教 ...