「お願い…、私と最後の思い出を作って…?」 キーンコーンカーンコーン・・・。いつものように学校から、チャイムの音が鳴り響く。 夏休み明けから、両親の転勤についていくことになった俺は、「この学校とももう最後になるのか」と校舎を見上げる。 (まあ、田舎の学校だったけど…。いい奴らばっかで、いいとこだったな) 転勤族の親を持つ者として、すでに転校には慣れていた俺だったが。そんな新参者の自分を優しく受け止めてくれたこの学校は、ここ最近の転校先では一番思い入れのあるものになった。 (さあ、帰ろう…)と振り向くと、そ ...