―――多くのともがらを救った男の膝が地に着く。遠くに逃れた妹を想いながら。 間近に迫る大地に構わず、次に想うのは己の国の人々の事。憂いは泡となり虚ろに消えた。 20にも満たない青年の一生、しかし空虚ではない。彼の生き方を、ずっと見ていた者がいるのだから――― パドルファグ戦記 ‐蒼生の落日‐ より引用。 世界を救った勇者様は、そのご褒美として王様から、大きなお屋敷と、たくさんのお世話人をいただきました。 勇者様はそのお屋敷で、一緒に旅をしてきた大好きな仲間たちと、いっぱいいっぱい愛を確め合って暮らしました ...