◇あらすじ 「うわ……。またやっちゃった……」 僕・代田薫は、自分のデスクでひとりうなだれる。 就職してからというもの、僕は些細なミスを繰り返していた。 「どうせ僕は、何をやってもダメなんです……」 思わずそんな言葉がもれてしまう。 「そんなことないわ。あなたは真面目に頑張っているじゃないの」 慰めも、僕の心には響かない。 「僕……今月いっぱいで会社を辞めます。使えない僕に色々と教えてくれて、ありがとうございました」 「待ってっ! 君は、ここにいなきゃダメ。ここに必要な人よ」 「じゃあ、僕のことをどう思っ ...