営業部の若手エース・小柴陽希(こしば・はるき)。 陽キャとも言える彼には、気にかけている同期の女子がいる。 部内最下位の常連――影山葵(かげやま・あおい)だ。 頑張る彼女をサポートしようと、いつもアドバイスとエールを送っていた。 営業報告会の日の夜。 成果を出せず俯いていた彼女の残業を手伝うため、ふたりきりのオフィス。 不甲斐なさに泣き出す葵を、陽希は優しく励ます。 「なんで…そんなに優しいんですか…?」 「こんな私に関わら小柴さんの評判が──」 自虐的に笑う彼女の言葉に、陽希は反射的に返す。 「俺はいつ ...