「ご主人様…お願い…。全部私の中にください」 「7代目ご当主様、それではこの屋敷が今日からあなたのものになります」 目の前にそびえたつ、古めかしさが残る大豪邸を前に、ただただ呆然とするしかなかった。 時は一昨日に遡る。38歳、平々凡々で地方でサラリーマンをしている、いわゆるモブキャラの自分は、長年恋人もできず仕事に明け暮れる日を送っていた。 (はあ、俺の人生って本当にパッとしないよなあ…) ベットから自室の天井を見上げ、そんなことを考えていると、突然スマホの着信が鳴る。 【そしてその電話が、俺のモブ人生を ...