「ねぇお父さんこれ買ってー!」 夏祭りでお馴染みの金魚すくいの屋台の隅に、うねうねと怪しげな肢体を瓶から出しているタコを指差して少女は目を輝かせた。 「えぇ、なんだか気持ち悪いなぁ、、」 「買って買って買ってー!」 「お嬢ちゃん、このタコはよく人に懐くのでお友達になれるよ」 店主の後押しもあり、(まぁ、すぐに飽きるだろう)と思った父親は「毎日ちゃんとお世話するんだぞ」と言って代金を差し出した。 「するー!やったー!」 タコはなんでもよく食べ、日に日に大きくなり、いつしか少女の一番の親友となった。 少女は毎 ...