僕の部屋から、壁越しに母の喘ぐ声が聞こえる―――。 その日、帰宅した僕はリビングのソファーで眠っている母を揺り起こした。 母がスマホをのぞき込むと、寝惚けた表情が一瞬でこわ張り、焦ったように外へ飛び出していった。 一体何があったのだろう…? 少し胸騒ぎを覚えた僕は、放り投げられたスマホをのぞき込んだ。 開いた画面にあったのは見慣れたメッセージアプリの画面。 だが表示されていたのは見慣れぬ名前で、会話もなく動画のみが送信されていたようだった。 再生された動画ファイルに映っていたのは母のあられもない姿と…いき ...