荒廃した世界で、風が吹く。風が吹く。 鳥が鳴く。鳥が鳴く。 物語にはこう綴られている。 はじめに神は天と地とを創造された。 しばらくして神は大空を造り、その大空を天と名づけられた。 私は朽ちる事がない数列でできた本を読む。 そっとつぶやく。 「私の世界に人はいない。けど神様はいらっしゃるのかしら。」 この世界に人間はいない。 人間は絶滅してしまった。数世紀前に。 私たち機械。ヒューマノイドは人間を愛するようにできている。 それを’解って’いてもとても悲しく、たまに泣く。 全て世界は整頓されてしまった。もう ...