[あらすじ] 「……!」 目を覚ました『俺』は、自身がとある病院の一室、そのベッドに拘束されていることに気付く。 清潔な入院着を身にまとっているのは、凡庸な成人男性の肉体。そしてそれを拘束するのは、興奮して暴れる患者や囚人をベッドに縛り付けるようなバンド。窓からは夕焼け空が見え、外からはカラスの鳴き声が聞こえてくる。 「亜鳥良久 アトリヨシヒサ 」 ベッドの頭上にあるネームプレートには、そんな名前が書かれていた。 それが俺の名前なのだろうか。……分からない。その他のことはろくに思い出せない。 唯一思い出せ ...