───あの日から、僕と姉さん二人の「セカイ」が一変した……。 灰色の雲が空を覆う、20XX年。それは突然の事だった。 「感染すると必ず命を落としてしまう、未知のウィルスが発見されたらしい」 どこから、どうして発生したのか詳しくはわからない。 よく知らないそれに、僕と姉さんが暮らすこの街が飲み込まれるのも、あっという間だった。 災いを耳にした僕が急いで家に帰ると、両親がリビングのソファで寄り添い合っていた。 一目見てすぐにわかった。もう、きっと、父さんと母さんは…… 真っ青な顔をしている姉さんの手を引いて、 ...