霊的存在である淫魔、その霊魂の活力源は男性の精液、あるいは性欲そのものと言われている。淫魔は自ら直接男性の精を搾取できない代りに、世の若い女に取り憑いて目の前にいる男性にとって最も官能的に見える姿に擬態する。淫らな誘惑の虜になった男の肉欲を全て搾り取り死に至らせるという恐ろしい存在である。取り憑かれた女は悪魔的な力と永遠の美貌を手に入れるが、性行為において快感が頂点に達する事はない。更に「愛」という言葉は淫魔にとって己の存在を脅かす忌み嫌う言葉であり、それを口にすると淫魔の呪いによって砂にされ、風に散りこ ...