【作品内容】 時は寛政。この時代、口減らしのために子供を遊郭や陰間茶屋に売りに出す事は珍しいことではなかった。 木乃葉(このは)もその一人で、両親から陰間茶屋へと売られたのだった。 童顔も相まって、はじめは若い子供が好きな物好きな男性客にしか指名されなかった。 しかし、吸収力のある歳頃から鍛えられたその技は、瞬く間に花街の裏事情通を唸らせるようになった。 特筆すべきは前戯の技巧で、床入りの際、殆どの客を口技のみで骨抜きにさせてしまった。その技術は百年に一人の天賦の才と言われ、木乃葉自身も本番より前戯の方が ...