「ああ……。ムシャクシャするなぁ……!」 男がそう呟きながら、道を歩く。 時刻は夕暮れ。 学生や会社帰りのサラリーマンが帰路につく頃だ。 かくいう彼もそんな中の1人である。 「何が、ですか?」 不意に声を掛ける者がいた。 彼が振り向くと、そこには一人の女生徒が立っていた。 黒髪ロングヘアーに白い肌。 整った顔立ちは美人と言っても過言ではない。 そんな彼女は男を見て首を傾げていた。 (うわっ!? この子めっちゃ可愛いじゃん!) 彼の目から見て、彼女の容姿はかなり優れていた。 思わず見惚れそうになる。 だがす ...